キッチン(序章)
キッチン(序章)

「天才というのは非常に希少な存在です。一流の才能というのはどこにでもあるというもので

はありません。それに巡り合えるというのは、それを目の前に見られるというのは、幸運と言

うべきでしょうね。しかし――」(村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』(下)、講談社文

庫、2004年、93ページ)

 



 

美穂の家のセールスポイントの一つは「食事がおいしいこと」です。

 

このたび、私田邉は美穂の家のキッチンに潜入(?)し、おいしい食事ができあがるその一部

 

始終を密着取材しました。シェフの名は遠藤るり子さん(以下、「るりさん」と記載)。


 

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まずは買い物へ。



買い物メモを見ながら無駄なくテキパキと食材を仕入れます。

 

いざ、調理開始。


この日のメインは「煮込みハンバーグ」です。

 

 



炒めて、煮込んで(グツグツ)。

 

 


三か所同時調理(!)

 

 


味見と微調整を繰り返します。

 

 

ここで一つ、ハプニングが。

「あれ、オクラがない!買ってあったと思ったんだけど……」

ストックのオクラがないというまさかの事態です。

(数秒間の黙考。るりさんの思考の回路がカタカタとフル回転する音が聞こえそうです。)

「……ないならないで、別バージョンで!」(「ほんとはダメだけどね」)

オクラの代わりにブロッコリーを使い、このピンチを切り抜けました。





調理のピークを乗り越え、盛り付けへ。

できあがった食事を職員たちが配膳します。


「いただきます!」

るりさんも、ようやくほっと一息。



 

「お正月の三が日は、食費の予算ギリギリの御馳走を作るの。――『今回』のお正月が最後

になる方もいるかもしれないから。もちろんそれはお正月だけに限ったことじゃない

んだけどね」。

 

 

朝の買い物の道中、るりさんがこう言いました。

今回――今年、今月、今週、今日――。

食べること。生きること。

 

尊いなと思いながらこの文章を書いています。


 

今回の文章は美穂の家沓谷の田邉が書きました。

いつもありがとうございます。